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価格差の歩き方

同じモノが、国境で値段を変える

関税、間接税、ブランドの地域別価格、生産地との距離、為替、中古市場の厚み。価格差が生まれる理由は6つしかありません。理由がわかれば、どこで何を買えばいいかは自動的に決まります。

価格差ボード・抜粋 海外価格 ÷ 現地価格
JAPAN 市販薬・目薬・湿布 ×2–4 JAPAN 中古カメラ・レンズ ×1.25–1.8 JAPAN レトロゲーム・中古ソフト ×2–5 USA 米国発ブランド衣料(Polo RL, Levi's) ×2–3 KOREA 眼鏡(検眼+レンズ込み) ×2–4 ITALY 革靴・革小物 ×1.6–2.2

×2.5 は「同じものを国外で買うとおよそ2.5倍かかる」という目安です。定価どうしではなく、実際に旅行者が買える価格帯(アウトレット・量販店・中古を含む)で比べています。為替と時期で動くので幅で示しています。

価格差が生まれる6つの理由

「旅行中は安いはず」という漠然とした感覚で買うと、旅行者は高く買わされます。価格差に神秘はありません。6つのメカニズムのどれか、時にはその二つが重なって生じるもので、どれが効いているかがわかれば有用なことが二つわかります ── 差がどのくらいの大きさであるべきかと、持ち帰ろうとしたときに何が問題になるかです。

  • 01

    関税と間接税

    衣料・革製品・靴は、ほぼどの国でも輸入関税が重い品目です。そこに国内の間接税(日本の消費税10%、EUのVATは20%前後、米国の売上税は州により0〜10%超)が重なるため、輸入品に関税と国内税が二重にかかる国では同じ商品が構造的に高くなります。日本で輸入バッグが高く、国産の包丁が安いのはこの理由です。

  • 02

    ブランドの地域別価格戦略

    最大の要因であり、最も見落とされる要因です。同じブランドが市場ごとに意図的に違う値付けをします。米国では量販される Polo Ralph Lauren が日本では「輸入ブランド」として高い位置に置かれ、逆に日本では日用品のユニクロが海外では「日本のデザイナーブランド」価格になります。ここから導かれる原則は一つ、ブランドはその母国で買うのがほぼ常に一番安い、ということです。

  • 03

    生産地との距離

    現地生産・現地在庫は、輸送費も輸入商社のマージンも代理店マージンも乗りません。堺と関の刃物、岡山のデニム、今治のタオル、ゾーリンゲンの刃物、北イタリアの革。産地で買うと中間業者が2〜3段抜けます。

  • 04

    為替

    通貨安の局面では、現地通貨建ての価格が据え置かれている間だけ、外貨から見て安く見えます。しかし輸入品は、新しいレートで仕入れた在庫が入れ替わる半年〜1年後に値上げが効いてきます。つまり為替が効くのは「国産・現地完結」の商品であり、輸入品には効きません。為替を理由に輸入品を買ってはいけません。

  • 05

    中古市場の厚み

    日本が突出している領域です。買い替えサイクルが速く、状態のランク付けが細かく統一されていて、真贋鑑定の水準が高く、供給量が多い。カメラ、時計、楽器、ゴルフクラブ、ゲーム。「中古」という言葉が背負っているリスクの量が国によって違い、その差がそのまま価格差になっています。

  • 06

    免税・還付制度

    出国する旅行者は間接税を取り戻せます。日本は消費税10%、EUのVAT還付は代行手数料を引かれて実質10〜14%が戻ります。最低購入額も書類も期限も国ごとに違い、出国時の税関手続きを踏み外すと全額が失われます。制度を知らないだけで、同じ買い物で1〜2割損をします。

価格差の仕組みを詳しく読む →

日本で買うべきもの

日本で効いているメカニズムは主に三つ ── 生産地との距離、為替、そして中古市場の厚みです。ここから、リストなしで適用できる原則が出ます。日本が作っているものと、日本人が手放したものを買え。

旅先で買うと損なもの

価格差には向きがあり、「旅先だから安い」という思い込みは、このサイトで最も高くつく間違いです。以下の6つはいずれも構造的な理由で逆向きに効いていて、季節要因ではありません。セール中に良い買い物に変わったりはしません。

買うと損な6つを読む →